住宅ローンを組むとき、固定金利型・固定期間選択型・変動金利型のうち、どの金利タイプを選ぶべきか悩まれる方は多いのではないでしょうか?今回は、それぞれの金利タイプの特徴と、そのタイプを選ぶと良いとされている基本条件等について、ご紹介いたします。
固定金利型とは
固定金利型には「全期間固定型」と「固定期間選択型」があり、その名の通り金利が全期間あるいは一定期間固定されます。
【全期間固定型】
借入から返済完了までの金利が最初に決定されるため、借入のタイミングで、毎回の返済額や総返済額を計算することができます。最も返済計画を立てやすいタイプであるといえるでしょう。
特徴
- 一般的に、変動金利と比べて、金利水準が高い。
- 将来、金利が高くなってもその影響を受けない。すなわち返済額は一定。
- 借入を申し込むタイミングで支払総額が分かる。
適している場面
- 将来的に金利が上昇していくと考える場合
- 借入期間が長期にわたる場合
【固定期間選択型】
当初一定期間(3年、5年、10年等様々)、金利が固定されます。固定期間が終了する際に、変動金利に移行するか他の固定期間を設定するかを選択できる商品が多いです。
特徴
- 支払増となるタイミングを、ある程度人生設計に合わせやすい。
- 固定金利とする期間によって金利が異なる。
- 固定金利期間が終了した後の金利が、全期間固定型や変動金利型よりも高くなることがある。
適している場面
- さしあたっての支払額を抑えたい場合(全期間固定型と比較して)
- 収入が、固定期間中に安定または増加し、固定期間終了後にもしも支払額が多くなっても問題ないと見込める、と考える場合
変動金利型とは
変動金利型では、一般的には、適用金利が半年に1回、返済額が5年に1回見直されます。将来的な金利変動リスクはあるものの、家計負担が急激に大きくなってしまわないように「5年ルール(借入期間中に適用金利が変動しても、返済額は5年間一定とする)」や「1.25倍ルール(5年間経過後の新返済額は、前5年の返済額の125%を上限とする)」といった一定のルールが存在します。
余談ですが、このタイプは他のタイプに比べ金利が低いこともあり、ハウスメーカーや銀行等で住宅ローンの返済シミュレーションを出す場合、最初に出されることが多いようです。
【変動金利型】
特徴
- 一般的に、固定金利と比べて、金利水準が低い。
- 将来的な金利変動リスクがある。
適している場面
- 短期で返済できる見込みがある場合
- 金利が将来的に下がっていくと予想する場合
・関連記事:マイナス金利で住宅ローンはどのように変化したか
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借り替え
住宅ローンは家計に大きな影響を及ぼすものの一つですが、借り替えが可能なこともありますので、ある程度は柔軟に考えても良いでしょう。ただし借り替えは誰にとってもおススメ、というわけではありません。
一般的には、以下の条件を満たせば住宅ローン借り替えの妥当性があるといわれています。
- 今借入中の住宅ローンとの金利差が1%以上となる場合
- 住宅ローン残高が1,000万円以上、かつ残りの返済期間が10年以上ある場合
- 「借り替えにかかる諸費用」<「借り替えによって節約できる金額」となる場合 等
借入人によって条件は異なりますが、上記を考慮してなお節約できると見込める場合には、借り替え相談をしてみると良いことがあるかもしれません。
以上で三つの金利タイプを見てきました。選び方の基本となるのは、ご自身の人生設計と収入、および将来的な金利変動リスクをどのように見込むのかであるといえるでしょう。
また、どのタイプが最少の総支払額で済むのかというのは誰も確実にいえることではないため、むしろ、どのタイプを選べば最も楽しいマイホームライフを過ごせそうか、ということに主眼をおいても良いかもしれません。
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