競売物件とは、債権者からの申し立てにより裁判所に差し押さえられた物件のことを言います。競売物件は「所有者が売却する意思のない物件」であるため、通常の市場では取引されないような特殊な土地や物件についても情報が提供されること、「競売市場修正」によって評価額が割安になることが多いのがメリットです。
一方で、通常の不動産売買で買主に認められている権利が成立しないのが買受人側の大きなデメリットです。一般に流通されている不動産には『宅地建物取引業法』が適用され消費者は手厚く保護されますが、競売物件には『民事執行法』が適応され、安全な取引が法律で保証されているわけではありません。そのため競売物件を購入するということは買受人(落札者)が全て責任を持って行わなければならないということになります。
例えば、通常は売主に義務付けられる瑕疵担保責任がなかったり、引渡義務がなかったり、また、残置物があった場合にも勝手に処分することができない、などです。売却が実施される場合には3点セットと呼ばれる書類(現況調査報告書、評価書、物件明細書)が公開されますので、買受を検討する場合は十分に内容を理解しておく必要があります。
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