住宅購入のポイント(6)

道路の種類 ~不動産投資家による住宅購入のポイント(6)~

今回は、道路についてまとめてみました。なお、道路と言いますと、「国道や市道、高速道路」についてはよく知られていると思います。これらは法律上『道路法』に基づいて分類されていますが、今回は、住宅購入はもちろん、不動産投資においても重要な『建築基準法』に基づいた道路の分類についてまとめてみます。

 

◯ 2m以上の接道義務

そもそも、建築基準法上の道路が住宅を建築するに当たって重要な理由は、建築基準法第43条に「建築物の敷地は道路に2m以上接しなければならない」と規定されているためです。では、建築基準法に規定されている『道路』とは何なのでしょうか?

 

▶ 道路の種類(建築基準法第42条)

建築基準法第42条では、以下のとおり道路の種類について細かく規定しております。

建築基準法第42条

ここで、注目すべき点は「私道」。つまり国や都道府県が作って管理している道路である「公道」ではなく、一般の方(公的な主体ではないもの)が所有している道路である「私道」に接道した(道路に接することを接道といいます。)建築物を建築したい場合には、第42条第1項第5号のいわゆる「位置指定道路」として、原則指定されている必要があるということです。不動産業者等から住宅等を購入する際には、通常この点の調査は売主・仲介会社において事前に行われており、売買における重要事項説明書に記載があるのが通常ですが、接道している道路が「私道」なのか、「公道」なのかについては、確認をした方がよいと思われます。なお、私道の場合は、購入後に管理費の負担等諸々の出費が必要となる可能性があります。

 

▶ セットバック(建築基準法第42条第2項)とは

中古住宅の購入を検討されていて、接道している道路の幅員が4mに満たない場合には、少し注意が必要です。接道している道路が建築基準法第42条第2項に該当するいわゆる2項道路の場合には、一般的に道路の中心線から2mの範囲までは道路とみなされ、当該範囲まで道路との境界線を後退させる必要があり、後退した部分については建物や塀等を建てることはできません。この後退部分は一般的に『セットバック』又は『みなし道路』と言われています。
セットバック

 

▶ 例外規定は?

どのような立地でも建築基準法上の道路に2m以上接しなければならないのかというと、実は例外規定もあります。建築基準法第43条第1項但書において規定されており、例えば広い空地が周囲にあったり、農道等に接していたりする場合で、適法に許可を取ったものについては、建築基準法上の道路に接道していなくても建築物を建築することが可能となります。

道路の種類

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