出口戦略とは、投資活動において、予想する保有期間経過時の投資対象(不動産など)の換金方法などを予め計画しておくことを指します。
抵当権
抵当権とは、お金を貸し借りする際に担保の目的物に抵当権を設定することによって、万が一債務者(借主)が借りたお金を返済できなくなったとしても、債権者(貸主)はその目的物を売却しその換価代金から優先的に弁済を受けることができる権利のことです。
抵当権は質権とは違って引き渡しを要しないため、債務者はお金を借りている間も担保の目的物を使用・収益する権利が認められます。
抵当権は債権者と債務者の両者の合意のみによって設定することができますが、第三者への対抗要件として登記が必要であること、かつ抵当権実行時には通常登記事項証明書が必要であることより、ほとんどの場合登記されます。
担保の目的物として抵当権を設定できるのは、不動産や自動車、船舶、航空機、工場財団、鉄道財団など、登記によって公示できるものです。
金融型(投資型)クラウドファンディング(ソーシャルレンディング含む)ができるまでに必要だったこと
インターネットと金融型(投資型)クラウドファンディング(ソーシャルレンディング含む)
インターネットの発展が、クラウドファンディングができ、そして現在成長を続けていることに必要な要素であったことに議論は不要と思われます。人々が、インターネットで買い物をし、動画配信を見て、ニュースを読むようになる中で、お金を寄付したり、お金をプロジェクトへ投下することを、インターネットを通じて行う、いわゆるクラウドファンディングに参加をしていく流れができていくことは自然なように感じられます。
しかし、ソーシャルレンディングを含む金融型クラウドファンディングができあがるのに、インターネットに加えて必要な要素があったと考えられます。
証券化の法技術の発展と法規制環境の発達
それは、証券化に代表される法技術の発展と法規制環境の発達です。そして、それらは、いずれも投資家保護という観点で一致しています。
証券化とは、投資対象の資産を法的に限定することで、資産を元々保有していた者の信用力ではなく、資産そのものの信用力で資金調達を可能とする法技術です。もともと、アメリカで大きく発展しました。一時期はいわゆるリーマンショックの原因の一つという捉えられ方もしましたが、リーマンショック時の金融機関の救済や不良債権処理においても、証券化が用いられ、現在でも主流な金融商品の一つとして取引をされています。証券化が発展した背景には、金融業界が、リスクを特定し、リスク・リターンを透明化したいという投資家の要望に応えるべく、対応を続けてきたということが挙げられます。ソーシャルレンディング最大手のレンディングクラブにおける投資のスキームや日本における金融型クラウドファンディングに用いられている匿名組合契約やそれに付随する契約も、証券化の考え方が色濃く反映されています。特に匿名組合契約は、日本における代表的な不動産投資における証券化スキームではなくてはならない契約形態となっています。
証券化の技術が発展する中、日本においては2007年に、金融商品取引法が施行されました。これは、従前の複数の法律にまたがっていた金融商品に関する規制を一つにまとめ上げた法律です。金融商品取引法により、新たに開発されるものを含め、様々な金融商品が包括的・横断的な投資家保護のルールで規制されることとなりました。一方、どのようなルールで規制されるかが明確になり、市場の公正性と透明性を向上させる役割も担っています。通常、金融型クラウドファンディングは、匿名組合契約を用いるものを含め、「集団投資スキーム」と呼ばれるものに該当することが多く、当然ながら、金融商品取引法の規制の対象となります。
このように、投資のリスクを特定し、投資家のリスク・リターンを透明化しようという証券化技術の発展と、投資家保護をうたう金融商品取引法の施行が、日本の金融型クラウドファンディングが誕生する要素の一つであったといえるでしょう。
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