新しい出資・投資の形として注目されている画期的なビジネスモデルであるクラウドファンディング。
群衆(crowd)と資金調達(funding)の二つの言葉を合わせた造語で、主にインターネットを通じて不特定多数の一般個人(最近は法人も現れるようになって来ています。)から資金を集める手段を指します。日本ではまだまだ市場規模は大きくないようですが、着実に成長を重ねてきており、出資・投資の対価(見返り)によって大きく「寄付型」「購入型」「投資型」の3つに分類されるようになってきました。なお、投資型クラウドファンディングをさらに「貸付型(融資型)」「エクイティ型」「不特法型」の3つに分けて、合計5つに分類される場合もあります。
▶ 寄付型クラウドファンディング
主に慈善目的、社会的意義の大きいプロジェクトで多くみられ、投資家は資金を寄付として提供し、運営会社からの見返りは求めないのが特徴です(運営会社が投資家に募ったお金の使用状況の報告書を提出するようなケースや、募ったお金でつくったものの見学会に招待するケースはあるそうです)。
一般的に人は、寄付をしたいという思いを持っているものの、自分の寄付したお金がどのように使われているのかについて、透明性が確保されているかどうかを重視するようで、インターネットの普及によって、運営会社が募ったお金をどのように使用しているのかをリアルタイムで把握できるようになり、小さい案件であっても、従来よりも広範囲から資金を募れる状況がもたらされているといえます。
▶ 購入型クラウドファンディング
投資家は、出資の対価(見返り)として、運営会社から商品やサービスそのもの、イベントへの招待券など金銭以外のものを取得するのが特徴です。
アーティストへの支援、科学研究やソフトウェアの開発、映画製作など様々な分野での資金調達に活用されています。特に、新製品のプレマーケティングとしても注目を集めるようになってきています。つまり、「情報感度の高いクラウドファンディングユーザの心に響き、出資が集まるようであれば、より大きいロットで製造を行っても、売上が見込める」というように、市場動向を探る思惑を持って、購入型クラウドファンディングで資金を募る商品開発者も現れてきているようです。
▶ 投資型クラウドファンディング
投資家は、出資の対価(見返り)として、運営会社から金銭を取得することを前提としているのが特徴で、さらに3つに分類されることもあります。
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貸付型(融資型)クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
ソーシャルレンディングとも呼ばれ、運営会社は投資家から集めた資金を資金ニーズのある個人や企業に融資します。投資家にとっては、今まで敷居の高かった不動産事業や海外事業にも、それらの事業を行う個人や企業への融資案件に少額から出資することで、参加が容易になりつつあります。
投資家は、出資の対価(見返り)として、利益の配当という形で金銭を受け取るのが特徴です。
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エクイティ型クラウドファンディング
運営会社は集めた資金を使って、株式や不動産といった資産に投資します。
この仕組みを使えば、誰もがベンチャー企業などの未公開企業に対して株式購入という形態で投資が出来るようになりますので、注目が集まっています。日本においては法制度の整備や規制の緩和が進んできたところで、普及はこれからといったところです。投資家は、出資の対価(見返り)として、金銭的価値を有する株式や持分といった権利を取得するのが特徴です。
OwnersBookサイト内で「エクイティ型」と表現している案件はこちらの分類になります。
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不特法型クラウドファンディング
「エクイティ型」のうち、不動産の所有者へ直接投資を行うものを「不特法型(不動産特定共同事業型)」と更に分類する場合もあります。
投資家は、不動産の賃貸や売却に基づく利益の配当を受けることとなるのが特徴で、2017年の関連法令の改正以降、多くの運営会社が参入しています。
このように受け取る対価(見返り)投資対象となる資産の種類によって分類されるところまで、クラウドファンディングは成長してきており、それぞれのフィールドで運営会社が登場しています。
何か自分に向いたクラウドファンディング、すなわち応援したい案件や投資をしたい案件を探してみたりすることで、よりクラウドファンディングが身近なものになっていくといいかもしれませんね。
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