空室率とは
不動産投資、特にオフィス(事務所)への投資において、気にするべき指標に空室率があります。空室率とは次のような数式で表されます。
空室率 = 空室面積 ÷ 対象となるエリア・不動産の総貸床面積
※このブログ記事ではオフィス投資を前提としていますが、空室率は住宅、商業施設、倉庫といった他の不動産タイプでも利用する指標です。
例えば、ある9階建てのオフィスビルで、ひとつの階が丸ごと空いているケース(各階の貸床面積は同じとします。)における対象不動産の空室率は11%となります(1÷9=11%)。
当然のことですが、空室部分には家賃収入がありません。オフィス全体の収入を増やそうとすると、空室部分のテナントを探し、賃貸借契約を締結する必要があります。
空室部分へのテナント誘致に時間がかかってしまうリスクを嫌い、一般的には空室率が低いと投資対象として好まれる傾向にあります。(逆張りで、空室率の高い物件が割安であると判断し、それらを好んで投資する投資家もいます。)
エリアの空室率
空室率の低いオフィスならば安心かというと、必ずしもそうではなく、同じエリアの投資時点及びそれ以前(少なくとも一年以上の期間)の空室率を確認する必要があります。
そして、空室率の高いエリアの場合、以下の2つのリスクを想定しておく必要があります。
(1) テナントが移転するリスク
同じエリアの他のオフィスに移転をしてしまう場合があります。
(2) 価格競争にさらされるリスク
同じエリアの他のオフィスがテナント誘致のため、募集している賃料を下げる可能性があります。その場合、(1)のリスクが増えます。自分の投資したオフィスに空室が発生した場合、新たなテナント募集の際に、賃料の値下げも考慮しなければなりません。
<参考>東京中心5区におけるオフィスの空室率
オフィスの賃貸仲介を行う三鬼商事株式会社が公表している東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスビルにおける空室率(毎年12月末時点)を振り返ると、最も空室率が高かったのは2011年の9.01%、最も空室率が低かったのは2007年の2.65%でした(過去10年間の空室率の平均は6.26%)。また、直近2014年10月末時点の東京都心5区の空室率は5.60%と公表されています。
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