メザニンローンとは
今回は、不動産融資(ローン)の形態の1つであるメザニンローンについて説明します。
まず、下の図をご覧下さい。たとえば、私が10億円のオフィスビルの購入を検討していたとします。
私が手元に用意できる現金は2億円だったとします。通常の銀行融資(シニアローン)を依頼したところ、6億円を調達できることが分かりました。しかし、自己資金とシニアローンだけですと、合計8億円しか用意できずに、不動産の購入を諦める必要があります。
不動産投資マーケットには、このような不動産購入希望者のために、自己資金とシニアローンで足りない部分(今回の例でいいますと2億円)を対象とする融資を手がけるお金の貸し手がいます。その際の融資のことを、一般的に「メザニンローン」と言います。「メザニン」は、直訳すると「中2階」という意味になります。
メザニンローンは、通常借入であるシニアローンより劣後する(返済順位が後になる)借入れで、金利はシニアローンより高くなります。一方で、自己資金部分と比較すれば、元本毀損のリスクは小さいため、不動産投資におけるメザニンローンは、「ミドルリスク・ミドルリターン」とも言われております。
このメザニンローンですが、不動産投資マーケットにおける貸し手としては銀行、保険会社、リース会社、信販会社等があります。日本におけるメザニンローンの市場規模はまだまだ小さいですが、欧米の不動産投資マーケットでは盛んに行われている投資手法で、アメリカではクラウドファンディングという仕組みを利用して、個人がメザニンローンの貸し手になることもあるようです。
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