映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の中で、主人公のジョーダン・ベルフォートが小さな小屋のようなところで営業している会社の株を「最先端のハイテク産業」の会社のように話を膨らまして、電話の向こうの投資家に売り込むシーンがあります。
映画の演出も巧みで、思わず笑ってしまいますが、「セールスを受けた投資家はもっと検証しないの?」という疑問が湧いてきます。もしかしたら、電話の先の投資家は検討の時間が惜しかったのかもしれませんが、投資案件に相対したら、可能な限り検証を行うべきです。
不動産投資における最も重要な検証の一つが、「現場に行くこと」です。
テクノロジーの進歩で現場に行かずともできることは多くなっています。収支の計算は表計算ソフトでできますし、案件にかかる契約書をスキャンして電子ファイルで保存することもできます。また、都市部であれば、インターネットを使って周辺の写真や地図を簡単に取得できます。周辺のマーケット状況についても、賃貸情報のウェブサイトを見たり、賃貸仲介会社が公表しているデータを見ることで知識を付けていくことができます。
しかし、現場へ出向くことは不動産投資において引き続き重要な要素だと思われます。
まず、現場に出向くことで机上では得ることのできない情報を得ることができます。それは、人の往来の様子であったり、においであったり、ラッシュ時の駅の様子であったり、テナントがどのような働き方をしているのかであったり。
不動産投資に関わる専門家は、現場に行った際に留意すべきことを人それぞれ持っているようですが、多くの人が大切にするのがフィーリングです。現場に行きだしたころは、いろいろチェックすべき項目が多く圧倒されるかもしれませんが、フィーリングを大切にするところから始めてみてはいかがでしょうか?
もう一つ経験の浅い人でも現場に行った際にすぐに実践できるのが、その不動産の主たるユーザーが行くように、その不動産に行ってみることです。都心のオフィスであれば、最寄り駅まで行って歩いてみる。郊外の商業施設であれば、車で行き駐車場に停めて、実際に買い物をしてみる、といったことまでやれば、その不動産についていろいろ感じることが出てくると思います。それは「いい投資案件だ!」という感情かもしれませんし、「これはここを改善しないと厳しいかもしれない。」といったものかもしれません。
そう、まさに投資判断は現場で起きているのです!
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