今回は意外と理解できていない管理費と修繕積立金についてまとめてみました。この二つのお金はどのように使われているのでしょうか。
管理費:日常的な管理に対して発生する費用
管理費は、マンション住民の日々の快適な生活を守るために行われる清掃費用や設備点検費用、エレベーターや共用部の電気代などの支払いに充当されるものです。主な内容としては以下のようなものがあります。
したがって、毎月管理費として徴収する金額は基本的には毎月の運営費用として支払う分になります。
管理費に関しては、区分所有建物であるマンション(いわゆる分譲マンション)だけでなく、所有者が一人であるような賃貸マンションに関しても、管理費または共益費といった名目で毎月の賃料と合わせて徴収されることが一般的です。
修繕積立金:定期的、計画的な大規模修繕などを目的
一方の修繕積立金は、マンションの長期的資産価値を保つため、将来の大規模修繕に備えて貯蓄しておくために徴収されるものです。原則として専有部分は区分所有者に専属するため、共用部分を保全していくことが修繕積立金の目的となり、主な用途としては以下のようなものがあります。
修繕積立金は少ない方がいい?
修繕積立金は、30年などの長期間にわたって想定される大規模な修繕工事の計画を立てて、その総額を賄えるように割り出した額とすべきです。ところが、購入者の毎月の負担を抑えることで販売を促進したい、というマンションを分譲する不動産会社の思惑もあって、毎月の修繕積立金の額を当初は低めに設定する傾向があります。年を追って段階的に積立金額をあげていくマンションも多いですが、それでもいざという時に積立金が足りず、区分所有者から追加で修繕費用などを徴収するケースや、管理組合が資金を借入れし、修繕積立金に上乗せして徴収するケースなどが発生しています。
こういった問題に対応するために、国交省では「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を提示しており、将来的な支出にしっかり備えるよう促しています。
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