前回に続き区分所有建物に関するトピックを扱いますが、今回は管理組合についてまとめてみます。
◯ マンションには管理組合が必ずある?
区分所有建物の内部関係を規律するための法律である『建物の区分所有等に関する法律』第3条に管理組合について規定されていますが、区分所有建物、いわゆる分譲マンション等には、必ず管理組合が存在することになっており、特段そこに住んでいる人が意図しなくても、法律上自動的に区分所有者の全員がその構成員に組み込まれて管理組合が結成されることになっています。
では、表題に戻りまして「マンションには管理組合が必ずあるのか?」という問いに関する答えは、「NO」です。マンションでも、所有者が1人である賃貸マンション等には管理組合は存在しません。管理組合が存在するのは、区分所有者が複数人いるマンションになります。
◯ 理事会・管理会社
近年は1,000戸を超える大規模マンションも多数存在しており、管理組合が何かを決める際に、その全住民が毎回集まって議決をとる、というようなことは現実的ではありません。そこで、通常は管理組合員(区分所有者)の中から理事(役員)を選任し、複数の理事から構成される理事会が事業計画等に基づいて管理組合の運営を行っているマンションがほとんどです。仕組みとしては以下のような図になります。
理事会は、一般的には月に1回程度の会合を開いて粛々とマンション運営を行っていく役割を担っています。
また、多くのマンションでは、管理会社と呼ばれる外部の会社に管理業務を委託しています。一般的には「管理委託契約」を締結し、管理組合が管理会社へ報酬を支払って管理業務を委託する形態をとっており、その管理組合の窓口となるのが理事会になります。
◯ 重要な事項の決定は?
マンション運営にかかる全ての事項について理事会が決めているわけではありません。重要な事項については、全区分所有者(組合員)の賛否を集結したうえで決定することになっています。その重要な事項を決定する場が、『総会』(集会)です。法令上、少なくとも年1回以上の開催が求められています。
総会を行うには、あらかじめ全区分所有者(組合員)に「招集通知」を送付します。その「招集通知」には、あらかじめ議題として示された事項を記載しておき、周知する必要があります。
総会における各区分所有者(組合員)の議決権割合は、規約で別段の定めがない限りは専有部分の床面積の割合となっています。
通常、区分所有者(組合員)及び議決権の過半数で決議をとりますが、以下にあるとおり、建替え等の特別な議決に関しては、その割合が異なっています。
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