子どもの投資
◆未成年の投資
最近、「投資をする子どもが増えている」という話題をよく耳にします。一昔前に世間を賑わした某ファンドの代表も小学生から投資を始め、お小遣いを稼いでいたことは有名な話ですが、実際のところ、投資に年齢制限はあるのでしょうか?預金口座のように、投資のための口座も基本的に「誰でも」開設できるものなのでしょうか?
◆口座開設条件
最もポピュラーと思われる株式への投資のケースを想定してみましょう。まず証券口座を開設する必要がありますが、未成年者の取扱いを全く受け付けない証券会社も多くあるので、各社の口座開設条件を調べることから始めた方が良さそうです。また、未成年者が口座を開設できるとしても、通常その証券会社に親権者が口座を開設していることや親権者の同意書などが必要とされており、未成年者が自分の意思だけで口座を開設することができないようになっています。
なお、(未成年者である以上親権者の管理の下で取引を行うことが前提ですが)未成年者が取引できるのは、株式など比較的シンプルで理解のしやすい商品に限られているようです。各社で取扱いが異なるものの、FXや信用取引などは基本的に取引することが「できない」としているところがほとんどのようです。
以下は、大手ネット証券の証券口座開設における年齢の基準です(当社調べ。)。
SBI証券、マネックス証券および松井証券については0歳児から口座開設が可能となっていますが、この場合、子供自身が投資判断をすることが可能になるまで(大体が中学生くらいでしょうか?)、親権者が未成年者とともに、または未成年者に代わり取引を行うのが一般的かと思われます。親が子供の財産を管理しながら投資のノウハウを教える、投資教育の一環としての利用と言えそうです。
◆子ども版NISA
子どもの投資に関連して、2016年1月から「子ども版NISA」が始まる動きが出ているそうです。家庭単位で見ると非課税枠が増えるという直接的な効果があり、大局的に見ると、純粋に投資額が増えることによる株式市場の活性化、実際の運用者(親や祖父母など)たちから子どもたちへの資金移動の促進、といった狙いがあるようです。贈与税の枠内で資産を移動できることから、相続対策を施しつつ、自らが運用者として運用する傍らで子や孫と一緒にお金について学びながら投資することもできる。その意味でこちらも投資教育の一環と言えるかもしれません。
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