「地価公示」という言葉をご存知の方はそれ程多くはないと思いますが、毎年3月中旬頃になると、テレビや新聞で土地の価格が大きく報道されるのはご存知の方が多いのではないかと思います。そこで報道されている土地の価格を決めている制度が「地価公示」となります。
◯ 地価公示制度について
「地価公示」の制度は昭和44年(1969年)に制定されました。それまでは土地の価格については公的に開示されているものはなく、一般の人にはなかなか土地の適正な価格に関する情報を得ることができませんでしたが、この地価公示制度によって、誰でも無料で情報を得ることができるようになりました。現在では、不動産取引における客観的な指標としても利用されております。
「地価公示」は、国土交通省の土地鑑定委員会によって定められた「標準地」における毎年1月1日現在の土地価格を、皆さんに開示(公示)する制度で、土地の価格、すなわち地価を公示する制度であることから、「地価公示」と言われております。土地価格の決定にあたっては、不動産の専門家である不動産鑑定士による鑑定評価額や実際の売買事例等を参考に土地鑑定委員会で決定しております。毎年3月中旬頃に、その年の1月1日時点の価格が公表されます。
◯ 更地価格
地価公示で発表されている土地価格(地価)は、「一般の土地取引価格に対する指標」となること、また「適正な地価の形成に寄与」することを目的とされています。したがって、標準地において、土地の効用が最高度に発揮できる建物が建っていることを前提として求めた「更地価格」(建物等が何もない土地の価格)となっており、地域の標準的な土地使用を考慮して求められており、価格は1㎡当たりの単価で公表されております。
◯ 23,380地点
地価公示で定められている標準地は2014年(平成26年)1月1日時点では、全国で23,380地点あり、単純に考えると1つの都道府県あたり500弱のポイントが選定されております。住宅購入を検討される場合には1つの参考情報として有用ですので、ぜひ近くの標準地の値段を確認してみてください。なお、公示価格は国土交通省の土地総合情報ライブラリーで閲覧することが可能です。過去に遡って閲覧することも可能であり、地価のトレンドを知る際にも有用です。
住宅購入に関しては、特に土地を購入して家をご自身で建てる場合や、建売住宅を購入する際に、近くの標準地の価格が1つの有用な指標となりますので、周辺の相場を知る上でも是非ご自身で確認してみてください。
◯ 土地価格の傾向
参考までに銀座4丁目にある商業地の標準地(中央5-18)を例に過去10年の土地価格の推移を追ってみました。2008年以降は下落基調でしたが、2014年は前年比プラスの上昇に転じております。今年(2015年)の1月1日の土地価格はどうなっているのでしょうか?ぜひ予想してみてください。
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