築地といえば、海産物の卸売りでにぎわう築地市場や、新鮮な海鮮丼などが食べられる築地場外市場商店街、古くからある築地本願寺などが有名です。
最近では、2016年11月に予定されていた築地市場の豊洲への移転が延期されることが発表され、注目を集めています。
築地市場の跡地は再開発される予定となっており、今後の動向が見逃せません。
今回は、築地について紹介いたします。
築地とは
中央区に位置する築地エリアは東京駅からバスまたは電車で約15分。銀座からも歩いて行ける距離です。
築地の地価は2013年から増加傾向にあり、2016年の築地4丁目の公示地価は1平方メートルあたり266万円と、東京都の区部平均の約52万円に比べてとても高くなっています。
築地は江戸時代初期に海を埋め立てたことで築かれた土地で、当時から海産物の商売が栄えていました。築地本願寺も、この時期に建立されています。寺社仏閣が近くにある土地というのは古くから人の住んでいる場所であるといわれており、不動産投資の場面においては通常土地の評価が高くなるとされています。そういった点においても築地は価値の高い土地であるといえるでしょう。
築地市場移転の動向
築地をめぐって最近にわかに注目を集めているのが、築地市場の豊洲への移転です。築地市場は昭和10年に開業し、世界最大規模の市場として発展しましたが、施設の老朽化や狭隘化に伴って、豊洲へ移転することが決まっていました。
当初の予定では2016年11月に豊洲へ移転することとなっていましたが、豊洲に建設された建物に問題があったという背景があり、2016年10月現在、市場移転は滞っている状態にあります。現在は都が問題解決にあたっており、市場関係者の間では、豊洲市場の開場は2017年の2月または5月になるのではないかと予想されているようです。
また、東京都が豊洲市場の環境影響評価を変更し、専門家に改めて安全性を検証してもらうこととなったため、状況次第では移転時期がさらに1年以上延期となる可能性もあります。
これに伴って、現在ある築地市場の閉鎖、その後の解体工事も延期される見込みであり、築地の再開発開始はもう少し先となることが予想されます。
築地再開発について
築地市場が移転した場合、築地の街並みはどう変わるのでしょうか。
市場跡地が再開発されるのはもちろんのこと、市場移転に伴って、跡地のみならず築地の街全体が生まれ変わることが予想されています。
市場跡地再開発
築地市場が移転した場合の市場跡地面積は東京ドーム5個分ほどといわれています。跡地の再開発は、開発規模でいうと東京ミッドタウンと六本木ヒルズを合わせた規模に匹敵し、日本における今世紀最大規模の都心再開発となることが予想されています。
現時点では、市場跡地に東京五輪の選手村と競技場をつなぐ主要道路(環状2号線)の建設計画が予定されています。それ以外は白紙の状況ですが、築地市場跡地の再開発については、すでにいくつかの案が出ています。
築地が所在する中央区では、市場移転後も営業を続ける場外市場の関係者のみならず、一般客や観光客が楽しめる街を目指して、商業施設・文化施設・ホテルなどの都市観光の目玉となる機能の導入や、周辺の銀座・歌舞伎座などとの連携などの開発計画を打ち出しています。
また、一部報道によると、大手不動産会社がサッカースタジアムやショッピングモール、フードコート、ホテルなどの複合施設の建設計画を進めていることが明らかとなっています。さらに、海外で統合型リゾートを展開する外国企業が、カジノ建設の候補地として目をつけているともいわれています。
一方で、オフィスと住宅の複合型ビルの建設を提案しているグループもあり、今後どのような計画が進むのかがますます注目されます。住宅マンションが建設されるようであれば、近くにある東京ツインパークスと同じような高級物件になることが予想されます。
市場周辺地域再開発
築地市場の移転計画に伴って、市場周辺地域ではすでに開発が進められています。
・築地魚河岸(つきじうおがし):
築地市場に隣接する築地場外市場では、中央区が35億円を投じて地上3階建て・2階建ての2棟からなる商業施設「築地魚河岸」を新たに建設、2016年11月のプレオープンが予定されています。この商業施設には水産物や青果物を扱う約60の業者が入居する予定です。高品質なプロの味を提供することで、築地市場の移転後も食文化の発信を担うことが期待されています。
・市場関係者のオフィスなど:
市場の周辺には市場関係者のオフィスや加工場が多くあります。市場が移転した場合、こ れらの機能も移転しますので、空き家になった建物の建て替えが進んでいくことが予想されます。現在は古い建物が残るエリアも多くあるため、新しい建物が続々と建設されることで、築地の街並みはがらりと変わるかもしれません。
築地は本願寺や市場などを中心に歴史ある街として栄えてきましたが、再開発が始まれば新たな形で注目を浴びる街となるでしょう。今後の市場移転の動向や、再開発に伴った地価の変動が見逃せません。
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