誰が言い出したのかわかりませんが、いいワインを作るには「天・地・人」がそれぞれ大切であると言われることがあります。これは不動産投資においても共通することなので、取り上げてみたいと思います。
ワインの「天・地・人」
ワインにおける「天」とはその年の天候を意味するようで、ビンテージなどと呼ばれています。「ボルドーといえば2000年と2005年!」のようなものです。ブドウの収穫時に雨が多く降ると、水分の多すぎるブドウとなってしまい、ワインの味にはマイナスに働くようです。
「地」とは、まさにブドウ畑のある場所のことで、フランスではテロワールなどと呼ばれています。どのような成分が土地・畑に含まれているか、それらはブドウの栽培に適しているのか、といったことが注目を集めます。
「人」はまさにワインを作る人のことで、一つのワインには多くの人が関わることになります。ブドウを摘んだり(法律によって、機械で摘むことを禁じている地域もあります。)、発酵させたり、熟成させたり、果皮とともに醸造させたり(赤ワインの場合)、樽を入れ替えたりといった職人芸を通じてワインが作られていきます。
一般に素晴らしいワインには「天・地・人」のそれぞれが素晴らしく作用する必要があると言われています。また、一方で、「天」や「地」に恵まれなくとも、「人」の努力によって、素晴らしいワインが生まれることもあるそうです。例えば、「天」に恵まれなかった年のワインづくりこそが、職人の腕の見せ所と意気込むワイン職人もいるそうです。
不動産投資の「天・地・人」
さて、不動産投資における「天・地・人」ですが、「天」はマーケット環境、「地」は立地・建物、「人」は関係者と捉えることができるのではないでしょうか。「天・地・人」がそろうと素晴らしい不動産投資案件になりそうです。
マーケットが上昇局面で(「天」)、立地や建物に問題はなく(例えば、ターミナル駅から近く、競合が少ない大通りに面したオフィスビル。「地」)、しっかりとした関係者(管理会社、賃貸仲介会社、投資にかかるマネージャーなど。「人」)がそろった案件は素晴らしい投資となりそうです。
ワインと同様、マーケット環境の悪い時の案件や立地に問題のある不動産も、投資家の期待にきちんと応える「人」がいれば、その不動産投資案件はしっかりとした出来栄えの案件となることも期待できるでしょう。
少しキザですが、不動産投資の際にも「天・地・人」に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか?
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