2016年9月現在、『OwnersBook』は貸付型の案件を紹介しており、案件の多くは「メザニンローン」「シニアローン」の形態で運用されています。これは、当該案件の運用は「不動産担保ローンに対する貸付によって行われる」ことを示しています。
メザニンローンの仕組みについては運用タイプの説明ページに詳細を掲載していますので、是非ご参照ください。
メザニンとは
まずメザニンとは英語で「中二階」を意味する語で、そこから転じて「中間的な」ファイナンスのことをメザニンファイナンスというようになりました。中間とはこの場合、シニアファイナンス(通常銀行融資)とエクイティ(株式)の中間のことです。メザニンそれ自体日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、投資家層が厚い米国などでは資金供給手段の一つとしてメザニンが広く認知されており、メザニンファイナンスを専門とする投資銀行やファンドなども多く存在します。
この投稿ではメザニンファイナンスの中でもメザニンローンについて掘り下げ、①どのような方がメザニンローンを借り、②メザニンローンで運用すると貸主側にはどのような魅力とリスクがあるのか、について解説致します。
メザニンローンの借主とは
どのような方がメザニンローンを借りるのでしょうか?いくつか例を挙げてみます。
1)資金効率を上げたい不動産会社
マンションなどを開発し、リースアップをして個人投資家などに売却していくプランを持っているが、売却までの期間お金を借りて、次のプロジェクトへの投資に移りたいようなケース。また、単純に次の案件への投資機会が現れた際にスピーディに動けるよう、予め手元流動性を厚くしておきたいケース。
2)不動産デベロッパー
建設中に、追加で資金が必要となったケース。
貸主側にとってのメザニンローンの魅力とリスクとは
上記で借主像をイメージしたところで、貸主側にとっての魅力とリスクを検討してみましょう。
1)魅力
メザニンローンは一般的にはシニアローンよりも高い利回りを得られる商品となっています。それは投資リスクに見合った金利水準が設定されるからであり、メザニンローンを取り入れることにより投資のリターンが改善されます。
2)リスク
メザニンローンはシニアローンより返済順位が後になる借入れです。そのためリスクはシニアローンよりも高くなります。通常借り手の返済が滞った場合には担保となる不動産を処分してローンを回収しますが、メザニンローンの債権者はシニアローンの債権者が回収しても残余金があった場合にそこから回収できるにすぎないからです。
メザニンローンはシニアローンと比べるとハイリスク・ハイリターンといえますので、貸主側にとっては担保の分析が非常に重要となります。
また、それは逆に、担保の分析をきちんと行うことができれば、より適切な、よりよい収益機会を捕えることができる、ということを意味しています。
担保の分析の重要性については「ソーシャルレンディング、貸付型クラウドファンディングにおける担保の分析の重要性」にて詳しく解説していますので、宜しければご参照ください。
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